データベーススペシャリスト合格までの勉強方法
2021年10月のデータベーススペシャリスト試験に合格しました。勉強の進め方や工夫した取り組みを振り返ります。
受験時の状況
- 年齢: 41歳
- エンジニア歴: 1年6か月
- データベース設計: 経験少なめ
- SQL: 約1年間、業務で日常的に使用
- 保有資格
- 技術系: 応用情報技術者、AWS Certified Solutions Architect – Associate
- 非技術系: 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級
データ分析の企業で働いており、試験勉強を通じてデータベースに関する知識を深めたかったことが受験理由です。
結果
- 午前Ⅰ: 免除
- 午前Ⅱ: 80点
- 午後Ⅰ: 79点 (問1、問3を選択)
- 午後Ⅱ: 77点 (問2を選択)
取り組みのポイント
勉強時間は8月からの2か月間で、おそらく200時間以上になりました。主に平日夜と土日を使い、平均すると1日当たり3〜4時間でした。
ポイントは次の3つです。
- テキストと過去問を行き来する学習
- 紙ベースでの過去問演習
- SNSの活用
テキストと過去問を行き来する学習
テキストには、いわゆる「みよちゃん本」を使いました。
情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2021年版(ITのプロ46 三好 康之)|翔泳社の本
三好さんの本は初めてでしたが、非常によくまとまっていて1冊ですべての対策ができました。
特によかったのは次のコンテンツです。
- 序章: 出題の傾向や、午後Ⅰ、午後Ⅱなど試験区分ごとの対策、典型的な出題パターンと解答テクニックが解説されている
- 過去問: 19年分の試験問題、解答用紙、解説がダウンロードできる
- 午前Ⅱ対策: 著者が選んだ約200問の過去問集をダウンロードできる
勉強はこのように進めました。時間は記録を取っていないのであくまで目安です。
テキストの序章を通読 (10h)
↓
2020年度の過去問で現状評価 (15h)
↓
テキストの第1章〜第4章を通読、序章を再読 (30h)
↓
午後Ⅱ、午後Ⅰ、午前Ⅱの順に過去問演習 (80h)
↓
2020年度の過去問で現状評価 (15h)
↓
テキスト全体を再読 (10h)
↓
2019年度、2018年度、2017年度、2016年度の順に過去問演習 (40h)
※他に「SQLアンチパターン」通読 (10h)
見ていただくと分かると思いますが、「テキストを読む」と「過去問を解く」を交互に行っていました。
これは一つには、過去問で理解が不十分だと分かったところをテキストで学び直す意味があります。
また、テキストの序章を「拠点」のように位置付け、常にそこへ立ち返って学習の方針を再確認し、残された時間を考慮しながら次の行動を決めていく側面もありました。
序章にはバックグラウンドの異なる6人分の合格体験記も掲載されていて、自分と環境の近い人の体験記は繰り返し読みました。
初めての過去問では結果はボロボロでしたが、それでも問題ないと思えたのも、体験記を読んでいたからこそです。
紙ベースでの過去問演習
大量の過去問のうち、どの問題を優先的に解くべきかがテキストで紹介されています。
最重要問題と重要問題を合わせ、午後Ⅱは10問、午後Ⅰは15問。ダウンロードした問題と解答用紙を印刷して実際に手を動かしながら解答し、解説をじっくり読むという手順を愚直に繰り返しました。
データベーススペシャリスト試験は異常な長文問題で、時間に追われ続けます。
少しでも本番の形式に慣れること、そしてどこに何を書き込みながら解答していけば後から見直しやすいかを知ることを目的に、徹底的に紙ベースにこだわりました。
手書きのよさは、ちょうど試験後に読んだ本でも目にしました。
「アウトプット大全」を読み始めました。読んで覚える「意味記憶」と、書いたり声に出したりして覚える「運動性記憶」では、記憶に残りやすいのは後者。資格試験の勉強で過去問演習を行うのは、再度出題されることがあるという理由だけでなく、脳科学的に見ても意味のあることなのだと感じました。
— 広瀬彰太郎@11tyでブログ運用 (@hirose_sh) 2021年10月19日
午後問題の分野は大きく「概念データモデル」と「物理設計」に分かれます。本番で問題選択に迷わないよう、過去問演習の中で自分がどちらに向いているのかをつかむことを意識しました。
午前Ⅱ対策については、ダウンロードした約200問の過去問集を1周し、試験当日にも見返しました。
SNSの活用
これまでに取り組んだ資格試験と最も違っていたのが、SNSを活用したことです。
試験に申し込んだ時点で、TwitterとFacebookで受験を宣言。Twitterではデータベーススペシャリストや他のIPAの高度試験を受ける人をフォローしていきました。
勉強の経過を毎日ツイートされている方が多く、それを目にすると自分も頑張ろうと思え、本当に励みになりました。
自分自身も投稿を意識し、主に以下の内容をツイートしました。
- テキストの中で覚えておきたいと思ったキーワード
- 過去問演習1問ごとに得られた学びや気づき
- 1年分の過去問演習の結果
140字以内にまとめること自体がよいアウトプットの機会になりましたし、間違った内容を流すわけにもいかないので、投稿前によく見直すことで学びや気づきが定着しやすくなったととらえています。
投稿したツイートはTwitterのモーメント機能を使ってまとめておきました。これによって試験直前に過去の勉強内容を見直すことが楽に行えました。
まとめ
2か月間、勉強漬けの日々でしたが、試験勉強を通じて学んだ内容は確実に実務に役立っていると感じます。
無事に合格できましたが、仮に不合格だったとしても、得られたものの大きさを考えれば受験してよかったと思ったはずです。
これから受験される方々、きっと努力は報われると信じて頑張ってください。