ネットワークスペシャリスト合格までの勉強方法

2022年4月のネットワークスペシャリスト (ネスペ) 試験に初挑戦で合格しました。インフラの業務経験が乏しく合格ラインまで遥か遠くからのスタートでしたが、ぎりぎり到達することができました。取り組んだ内容をまとめます。

受験時の状況

  • 年齢: 42歳
  • エンジニア歴: 2年
    • メイン業務: システム設計、開発
    • インフラ経験: AWSによるWebアプリケーション実行環境の構築など
  • 保有資格
    • データベーススペシャリスト
    • 応用情報技術者
    • AWS Certified Solutions Architect – Associate

勤務するスタートアップでは少人数のためエンジニアとしてカバーする業務範囲が広く、開発にもネットワークの知識が必要になることから、体系的な学習を目的に受験することとしました。AWSを日常的に使っており、オンプレミスのネットワーク設計やサーバー構築の経験はありません。

結果

  • 午前Ⅰ: 免除
  • 午前Ⅱ: 88点
  • 午後Ⅰ: 65点 (問2、問3を選択)
  • 午後Ⅱ: 63点 (問2を選択)

試験直後に行った自己採点とほぼ同等の結果となりました。勉強を始めた時点では午前Ⅱでさえほとんど解けないような有様でしたので、ここまで点数が伸びたことに満足しています。

取り組みのポイント

勉強時間は1月からの3か月間でおそらく200時間程度になりますが、その中で意識していたのが「試験勉強をしないこと」。

より正確に言うと、「試験対策に特化した勉強をしないこと」でした。もちろん合格が目標ではありましたが、ネットワークに関する知識を深めることがより大きな目的でしたので、暗記より理解、テキストより技術書、そして座学よりハンズオンを重視し、学習を進めました。

使用した書籍

取り組んだ書籍を使用順に挙げます。

  1. 徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書
  2. Linuxで動かしながら学ぶTCP/IPネットワーク入門
  3. マスタリングTCP/IP 入門編
  4. インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門

1番は試験対策用のテキストです。類書と比べて説明の文章が平易で、自分のレベルに合っていたことから選びました。最初に一通り通読し、その後過去問の演習に使いました。

2番はハンズオンのできる書籍。Linuxの仮想環境上に実験用ネットワークを構築し、パケットの流れを実際に確かめながら進めるため理解しやすいのが特徴です。1番の通読後に、それなりの時間をかけて取り組みました。

3番、4番は技術書です。テキストが試験で問われる用語を網羅的に取り上げているのに対し、こちらは用語を絞り、その分詳しく解説してくれます。過去問演習の際に関連するページを読み、さらに試験直前に通読しました。

ネスペの勉強によさそうな書籍をいくつかピックアップしているので、もしよければ参考にしてください。

過去問演習について

過去問は2021年分を初期と中間、最終の力試しに解き、それ以外に4年分 (2016〜2019) を2周しました。

採点の際にはテキストの解答ページだけでなく索引をもとに関連する解説ページにもすべて目を通し、技術書も辞書的に使いました。また分からないところはネット検索で調べるなど、1回分の採点に2、3時間をかけてじっくり理解するようにしました。

知識不足が不安だったため午前Ⅱ→午後Ⅰ→午後Ⅱの順に演習を行いましたが、今になって振り返ると、午後問題を解くことで知識は付いてくるので午後を優先した方がよかったように思います。

まとめ

ネスペは広範かつ深い知識が問われるため、勉強を始めたばかりのころは絶望的な気持ちになっても不思議ではありません。

自分自身もそう感じていましたし、Twitterでは最終的には合格した人でも過去問がほとんど解けないとツイートしているケースをよく見かけました。

私は特に暗記が苦手なので、少しでもネットワークの概念を理解しやすく、また覚えやすくするために取り組んだのが上記の勉強方法です。

これからネスペを受験される方に何かしらお役に立てれば幸いです。